金方堂の主力商品と言っても過言ではないぐらい、たくさんのサイズで展開している「組上缶(くみあげかん)」について解説していくよ。四辺を折り上げて角で組むから「組み上げ」缶という名称なのさ。「くみうえ缶」ではないから気をつけて。
まず初めに一般的な角缶との違いだけど、以前このブログ『3ピース缶と2ピース缶の違い』でも紹介したように、組上缶は蓋と胴の2つのパーツでできている2ピース構造なんだ。
そして通常の角缶は蓋・胴・底の3つのパーツでできているから、3ピース缶ということになるよ。
2ピース | 3ピース |
この組上缶は紙箱の展開図のように十字型になっていて、四辺を折り曲げて垂直に立たせることで缶の形にしているんだ。(だから「箱っぽい缶」「箱みたいな缶」「箱型の缶」って問い合わせがあるほど)
ということは、底と胴が一体で繋がっているから、底面にも胴と同じ色数を使ってデザインできちゃう!デザイナーさんにとっては表現の幅が広がるよね。
さらに特徴をあげると、組上缶は四つのコーナーが角ばっていて、直角に近いシャープでスタイリッシュな形なんだ。3ピースの缶ではどうしても加工の都合上、角に丸みをつけないと製缶することが難しいから、真上から見るとその差は一目瞭然!
上から見た形 | 上から見た形 |
組上缶をよく使ってくれるお客さまは、チョコレート業界やクッキー業界。この直角に近い形状のおかげで、中身がチョコレートやクッキー、サブレなどの焼き菓子というときに、隅までピッタリ入れやすいのが最大のメリット。
また特別なエリアを型から作らなくても、緩衝材やグラシン紙を使って中身を保護しやすいのも、この缶型が選ばれやすい理由かな。
それから、組上缶は胴にボッチと呼ばれる出っ張りが付いているから、蓋を被せたときに「パチッ」とはまる音がするのも気持ちがいいところ。
最後に、なぜ金方堂にはたくさんのサイズの組上缶があるのかというと、缶業界の主流が3ピース缶の時代に、折り曲げて容器にする製法をいち早く取り入れたから、1970年代にはパテントを取得して、様々なサイズの組上缶を世に送り出していたんだ。
今では他社でも組上缶を扱っているけど、それでもまだまだ「組み上げ缶といえば金方堂さんだね」と言ってもらえるぐらいフリーで使える型の種類は豊富だから、ぜひお菓子の容器を考えるなら僕たちに相談してね。