【目次】 缶の印刷①『缶も紙と同じくCMYKオフセット印刷なのです』 缶の印刷②『デザインが決まった後は?缶の入稿データの作り方』 缶の印刷③『ブリキ缶のキラキラを生かすメタリック表現』 缶の印刷④『缶なのにツヤ消し印刷もできる!マットニス仕上げ』 |
缶の印刷は紙のポスターやチラシと同じように、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のカラー4色で印刷されるのが基本だよ。
だから入稿データの作り方も、紙媒体のグラフィックデザインと一緒。
Adobe社のIllustrator(イラストレーター)やPhotoshop(フォトショップ)でデザインしたデータを渡してくれればOK。
紙の印刷と一緒ということは、人物や風景の写真でも350dpiという高解像度でちゃんと印刷されるよ。例えばコンサートのグッズ売り場で、アーティストの写真が印刷されたお菓子缶や、アイドルの缶バッジを見たことがある人もいるんじゃないかな?それぐらい写真もきれいに印刷されるんだ。
紙の印刷との違い
●缶の印刷は1色ごとに焼き付け(油性インク)
鉄板は紙のようにインクを吸収できないから、1色刷るごとにオーブンに通して乾燥させるんだ。だからオーブンで焼き付ける時間も考えてスケジュールが組まれているよ。
●紫外線で即乾燥(UVインク)
以前は油性インクが主流だったけど、近年では別のUVインクというものもあるよ。これは紫外線を照射してインクを硬化させる技術なんだ。
最近は油性インクとUVインクが同じぐらいの頻度で使用されているんだけど、これは印刷屋さんがプロの目でデザインを見て、どちらのインクを使うか判断しているから、任せておいてね。
●校正は2つの状態で確認
校正の流れは、平らな鉄板に印刷してから、缶の形に加工だよ。だから僕たちは校正を提出するときに「校正板」、「校正缶」という2種類の表現をしているんだ。
最初は色校正として板の状態で見てもらい、後日、板を製缶工場へ持ち込んで、一般的な缶の形に加工してから缶の状態も見てもらう。平面で見るのと立体になってから見るのでは印象が変わるから、デザイナーのみなさんがチェックしやすいように両方とも提出しているんだ。
「校正板」 = 色の確認
「校正缶」 = 意図した面にデザインが配置されているか確認
ちなみに、校正刷りする場所と製缶する場所は別なので、板と缶の2回に分けて提出していることを知っておいてね。
本番の印刷も同じように、鉄板に印刷をしてから、製缶工場へ持ち込んで加工する流れは一緒。
今回の話は基本中の基本の部分だったけど、「缶もオフセット印刷」であることと、校正は「板の状態と缶の形にした状態の2種類ある」ということを知ってもらいたかったんだ。
オフセット印刷だけじゃなく、シルク印刷もあるから、1色だけワンポイントでロゴや社名を入れたいときにも、金方堂まで相談してね。
次回は入稿データの作り方について。