【目次】 缶の印刷①『缶も紙と同じくCMYKオフセット印刷なのです』 缶の印刷②『デザインが決まった後は?缶の入稿データの作り方』 缶の印刷③『ブリキ缶のキラキラを生かすメタリック表現』 缶の印刷④『缶なのにツヤ消し印刷もできる!マットニス仕上げ』 |
前回『缶の印刷①』でもちょっと触れたけど、デザインデータの入稿はAdobeイラストレーター(またはフォトショップ)でお願いしているんだ。そこで今回は入稿データの作り方について。
缶の展開図面を入手
入稿するためには図面が必要だよね?ポスターや冊子などの紙媒体ならA4サイズとか、B2サイズっていう呼び方でほとんど通じちゃうけど、缶の場合は展開図であり、しかも高さが変わると図面も変わるからとても複雑。
缶にするとき、鉄板を引っ張って伸ばしながら加工するから、印刷も歪んでしまうことを想定した展開図面になっているよ。おそらくデザインするみなさんが最初に缶の図面を見たら、「なんだこれは?」と思うかもしれない。
だから、みなさんにお願いしたいのは、デザインを作りこむ前に金方堂の営業マンから図面を入手してほしいんだ。その図面を見ながら、どこに絵を入れてどこまで見せたいのか打ち合わせをしっかりしないと、大事なデザインが蓋で隠れてしまったり見せたかった部分が裏側に巻き込まれたり、予期しないことが起こっちゃうので注意してね。
もちろん金方堂専属のデザイナーがフォローするから、入稿データにおかしなところがあったら確認のご連絡をさせてもらうよ。
入稿前に注意事項を確認
一般的なオフセット印刷と同じように、注意事項があるから下記を必ずチェックしてね。
●文字のアウトライン化
AIデータのテキスト部分がアウトライン化されていないと、違うフォントに置き換わったまま印刷されてしまうから注意してね。
●画像解像度は350dpi推奨
缶もオフセット印刷なので、画像を配置している場合は、使用したい原寸サイズで350dpiの解像度が必要だよ。この数字が低くなるほど、ドットのようなギザギザした画像で印刷されてしまうんだ。
WEBで使用した72dpiなんていう低い解像度の画像は使わないでね。
●カラーはCMYK
缶はオフセット印刷なのでカラーがCMYKデータになっていないと困るんだ。WEBデザインを専門にやってきた人だと、RGBのデータで入稿されてしまうケースがあるんだけど、こちらでCMYKに変換すると、デザイナーさんが「思っていた色と違う」ということにもなるので、入稿する前に変換しておいてね。
●配置したリンク画像も必ず添付
簡易的な印刷屋さんなどでは、画像を「埋め込み」でOKとしていたり、PDF入稿を推奨しているところもあるようだけど、缶の場合そうはいかない。
もし画像を使用している場合は必ずリンクにして、その画像データも一緒に入稿してほしいんだ。そうしないと製版のときに色味の調整が出来ないので、いただいたデータをそのまま、何も手を加えずに印刷されてしまうよ。
何も手を加えられないということは、鉄のグレーの影響を受けた色になると考えてほしい。『缶の基本②』でも書いたように、鉄はベースがグレーなので色味の調整は必須なんだ。
以上が入稿データの作り方で伝えておきたいことなんだけど、まだまだ印刷にはメタリック表現や、ツヤ消し部分の作り方とか、話したいことはたくさんあるから、これからも更新していくよ。