【目次】 缶の印刷①『缶も紙と同じくCMYKオフセット印刷なのです』 缶の印刷②『デザインが決まった後は?缶の入稿データの作り方』 缶の印刷③『ブリキ缶のキラキラを生かすメタリック表現』 缶の印刷④『缶なのにツヤ消し印刷もできる!マットニス仕上げ』 |
缶の特徴のひとつとして、スチールの輝きをうまく生かしたメタリックな表現があるよね。商談のときに「せっかく缶をパッケージに使うんだから、キラキラさせたい」という相談はかなり多いんだ。そこで今回はメタリック表現について。
材質はET材かサテン材がおすすめ
まずは『缶の基本①』でも紹介した鉄板の材質選びが重要なんだけど、メタリックな缶にしたい場合はしっかりとした輝きを持っているET材か、少しザラついた表面で光沢感を抑えたサテン材をおすすめしているんだ。TFS材でもメタリックにすることは可能だけど、元々が暗い素材だから効果的とは言えないよ。
全部メタリックか部分メタリックか
●全メタリック
缶全体をメタリックのキラキラした状態で印刷したいなら、白インクを使わずにそのままオフセット印刷へ進めば良いので、普段通りの入稿データを作ってくれれば大丈夫。担当の営業マンへは口頭で伝えてもらえればメタリック缶が作られるよ。
●部分メタリック
デザインの一部だけ効果的に輝かせたい場合は、不透明な箇所の下地に白インクを印刷するんだ。その場合は「白版」と呼ばれる、白インク専用の版下データも必要になるよ。では下記デザインを参考に作り方を解説。
【デザイナーの希望】例
・背景はメタリックピンクから薄いピンクへグラデーション
・キャラクターと文字は光らせたくない
・ただしキャラクター衣装の金色部分はメタリック希望
・キャラクターの影は少しだけメタリックにしたい
白版の作り方
①デザインレイヤーを複製して「White」や「白版」等に名称を変更しておく。
②キラキラさせたい部分は何も塗らず、不透明にしたい部分だけ色ベタで塗りつぶす。
塗りつぶす色ベタはC版、M版、K版のどれか1版で代用してくれればOK。Y版だとちょっと分かりにくいので見落とし防止のためにも、CMKのどれかが良いと思うよ。
【デザイナーの希望】を元に
・アミ点も使えるので背景はグラデーションにしておく
・影部分は光りすぎないよう50%のアミ
・衣装の金色部分はメタリックにするため、色を塗らない
以上のように効果的なメタリック缶を作りたい場合は、白版の使い方がポイントだと分かるね。
と、ここまで聞いてだいたい想像がつくと思うけど、白色を使うということは印刷の価格も上がるということ。これは避けられないので、フルカラー4色の予定だったものを2色や3色に減らす代わりに白を使えるようにしたり、デザイナーのみなさんも試行錯誤しているんだ。
もし白版の作り方が分からないときは、金方堂のデザイナーができる限り協力するので気軽に相談してね。