【目次】 缶の印刷①『缶も紙と同じくCMYKオフセット印刷なのです』 缶の印刷②『デザインが決まった後は?缶の入稿データの作り方』 缶の印刷③『ブリキ缶のキラキラを生かすメタリック表現』 缶の印刷④『缶なのにツヤ消し印刷もできる!マットニス仕上げ』 |
基本のお話しとして、オリジナルデザインの缶を作る場合、印刷したものは艶(ツヤ)ニスで仕上がるから、パッケージには光沢があるよ。これはメタリックにしていなくても、缶全体がツヤツヤしているから覚えておいてね。何も指示しなければ、自然と光沢のある状態で完成するということ。
デザイナーさんだと「じゃあ、ツヤ消しにすることはできるの?」という疑問が出てくるよね。もちろん、マットニスを使用することも可能だから、全体をマットニスで覆ってツヤ消しすることもできるし、部分的にツヤとツヤ消しに分けることだってできちゃう。
ただしマットニスの費用として、印刷の通し数が1色分だけ増えてしまう計算になるからご注意を。
全体を艶消しで仕上げたい
「少しも光沢感を出したくない」という場合は印刷の最後に、全体にマットニスを引くんだ。これで仕上がった缶は、光の反射が抑えられて落ち着いた雰囲気の容器になるよ。
部分マット
ツヤ消しの効果的な使い方として多いのが、ロゴやキャラクターだけツヤで目立たせて、背景や他の部分はマットニスで光沢を抑えるというデザイン。部分的にマットニスを引くことができるから、デパートやテーマパークなどに並ぶ商品では、他のパッケージと差別化できるって人気なんだ。
入稿用のデータを作る際に「マットニス版」というレイヤーで分けて指示してもらえれば、どこをツヤにして、どこをツヤ消しにしたいのかが分かるから打ち合わせもスムーズだよ。
データの作り方
Adobe Illustratorで入稿データを作る場合は、缶の印刷③『メタリック表現』の回に説明した白版の作り方とまったく同じ。
マットニス版の作り方
①デザインレイヤーを複製して「Matt」や「マットニス」等に名称を変更しておく。
②光沢のままにしたい部分は何も塗らず、ツヤ消し部分だけ色ベタで塗りつぶす。
塗りつぶす色ベタはC版、M版、K版のどれか1版で代用してくれればOK。Y版だとちょっと分かりにくいので見落とし防止のためにも、CMKのどれかが良いと思うよ。
【デザイナーの希望】例
・ロゴとキャラクター(影含む)はツヤ
・背景だけツヤ消しが良い
【要注意】
・ツヤ部分ではなく、ツヤ消しにしたい部分のほうを塗りつぶすこと
紙媒体で経験があるデザイナーさんは、マットな紙にツヤニスを後から追加することが多いせいなのか、マットニス版を反転して作ってしまうミスが多いので気をつけましょう。
材質はET材かTFS材がおすすめ。サテン材だと元々が光沢を抑えられているので、マットニスの効果が少ないかな。
もしマットニス版の作り方が分からないときは、金方堂のデザイナーができる限り協力するので気軽に相談してね。