【目次】 缶の基本①『ET材/TFS材/サテン材?缶の材質はどう違う?』 缶の基本②『スチール(鉄)を白く塗装するホワイトコーティング』 缶の基本③『缶の裏側はどうなっている?透明ニスか金ニスを選択』 缶の基本④『3ピース缶と2ピース缶の違いを特徴とともに解説』 缶の基本⑤『缶ならでは!立体感が美しいエンボス(彫刻)の世界』 |
今回は缶に凹凸を付けた『エンボス加工』についての説明だよ。
「彫刻」、「レリーフ」、「デコボコ」、みなさんそれぞれ言い方が違うけど、金方堂ではエンボスと呼んでいるんだ。(ちなみに紙業界で言う「空押し」のことを伝えたいんだと思うけど、「箔押し」って注文される場合があって、それだと缶屋さんは「メタリック」と誤解しちゃうからやめてね。)
エンボスって金型製作費がかかるだけあって、売り場で見かけると高級感があるよね!
それでは、多く寄せられるエンボスへの質問にお答えするよ。
【Q】 どんな種類があるの?
平(ひら)エンボスと立体エンボス、それからスタッキングを考慮した「額縁付き」のエンボスがあるよ。
・平エンボス
薄く一段だけ高くしたもの。缶を重ねてもスタッキングに影響が少ないよ。
商品やブランドのロゴ部分に使うことが多いね。
・立体エンボス
高さに違いを出すことで奥行きを感じるんだ。ただし缶を重ねようとすると、底面に当たってしまうから注意してね。
テーマパークの商品でキャラクターを盛り上げるために採用されることが多いよ。
・額縁立体エンボス
これは一度凹ませてから盛り上げる分、立体的にできるエンボス方法だよ。周りに額縁のような高さがあるから、缶を重ねても底面に当たらないんだ。これもテーマパークでよく見かけるね。
【Q】 どうやって作るの?
エンボス缶に必要なのは雄型(おがた)と雌型(めがた)と呼ばれる上下の金型。
その金型で金属の板を挟んでプレスすることによって、缶表面にデコボコとした形が浮き上がるんだ。
【Q】 好きな場所にエンボス加工できる?
金方堂では缶の蓋だけエンボス対応しているよ。胴体にエンボスを入れることはやっていないの。
【Q】 出っぱり、凹み、どちらもできる?
通常は出っぱらせるエンボスが多いけど、平エンボス、立体エンボスどちらも凹ませること(デボス加工)も可能だよ。
【Q】 エンボス加工してから印刷?
それほど重要じゃないけど、興味として聞かれる方が多いのが、「印刷してから浮き上がらせるの?エンボス加工したあとに印刷しているの?」という質問。
答えは「印刷したあとに、蓋の形に加工しながら凹凸も付けているんだ」
東京本社ショールームには、エンボス缶を展示しているコーナーもあるから、商談の際は見学してみてね。
以上、缶の基本は今回で終了。次回からは缶への印刷編を更新していくよ。